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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第14話:人間が好きな妖怪 その② その日の夕方。FFは(子供のおもちゃにされて)ぐったりとしたにとりをほったらかして慧音と話をしていた。 感想から先にいってしまえば、何で自分を教師にしたいと言い出したのかわからないほどちゃんとした【学校】だった。慧音自身は言わずもがな、早苗は言葉の端々で「八坂神社ハイイトコデスヨー」と入信を薦めさえしなければいい先生だし、ツェペリはいい体育教師だ。 非常勤だと言っていた妹紅も子供に好かれているようだし、益々自分を呼んだ意味がわからない。 「なぁ。何で私を教師にしたがる?妖怪と人間に仲良くして欲しいなら橙がしっかりその役割を果たしているじゃあないか?」 FFが聞く。慧音の言っていた妖怪の生徒、化け猫の橙は陽気な子だった。子供たちと一緒に駆け回ったり(子供がトラックを1周する間に5,6周したりしていたが)一緒に勉強していたりしていた。 その様子は充分に【人間と妖怪が仲良くしている】光景だと思うのだが。 「橙はもちろん、頑張っている。けれど、【理解】してもらうにはそれだけじゃあ【不十分】なんだよ。」 慧音が疲れたように言う。幾ら人員が揃っているからといってもやはり子供を相手にするのは体力を使うのだろう。 しばしの沈黙が場を支配する。FFは慧音が喋るのをただ待っていた。慧音は自分の意思が伝わるように言葉を選んでいるように見えた。 「昨日も言ったとおり、里の人間達は妖怪をよく思っていない。幾ら大妖怪が『自分達のテリトリーに入れば絶対に襲わない』と言っても全く信じていないんだ。何が彼らをそうさせているのかは判らない。私も半分妖怪だからな。」 そこまで言うと慧音は窓の外を眺める。子供たちがいなくなった校庭は普段より広く、そして寂しく見えた。 「しかし、だからと言って妖怪に怯え続けるのはいい事ではない。今の幻想卿は妖怪の存在は【当たり前】の事になっているから。【当たり前】の事柄に恐怖を持ってしまっては生きていく事すら困難になる。」 「だが、実際に彼らは生きている。言っちゃあ悪いがそれはアンタの押し付けじゃあないのか?」 FFが気になった所だ。確かに妖怪と人間が仲良くするのは悪い事とは言わないが、それを押し付けるという事は間違いなく悪い事だ。この半妖はその事に気づいているのだろうか? 「手厳しいな。確かにその通りだ。これは私の我侭でしかないし、里の人間にとっても押し付けにしか見えないだろうな。」 FFの指摘に苦笑する慧音。一応、【押し付けである】という自覚はあるのだろう。なら何故、自覚があってもなおやろうとする? それをFFが聞こうとするまえに慧音はポケットから拳大の【何か】を取り出した。 「・・・栗か?妖怪の山で取れる。」 「あぁ。霧雨魔理沙が置いてったモノだ。人間の里では大体一粒1~2万くらいする。」 普通に暮らす分なら1~2週間は持つ金額だ。無論、栗にそこまでの希少価値はない。 「妖怪の山は、人間が入り込めないと【勝手に人間が】思い込んでいる。結果として、こんな栗も貴方達から見れば法外とも言える値段に跳ね上がる。」 再び懐に栗を戻す慧音。その顔は先ほど以上に真剣だ。 「里で取れるものは微々たるものだ。どう考えてもこの先、彼ら自身の需要を満たす事は出来ないだろう。彼ら自身は気付いていないようだが。」 そこまで言うと、慧音は唇を噛んだ。その顔は苦渋に満ちていた。 「人間は弱い生き物だ。10年、20年先の事よりもどうしても今日明日の事を考える。それは仕方が無い事とはいえ、このままでは彼らは飢える事になる。」 「そうなる前に妖怪たちの力を借りたい、と?」 「あぁ。これは私の我侭なんだがな。妖怪の山、霧の湖、迷いの竹林、魔法の森・・・ある程度の進入が許されているところですら入ろうとしない。それは彼らが不必要に妖怪を恐れているからだ。」 「それに関しては昨日も言ったが、本人達が悪いだろう。少なくとも、一介の教師が考える事じゃあない。」 「あぁ。ツェペリさんや早苗、妹紅にすら同じ事を言われたよ。『それは自分達の責任だ、お前が考える事じゃあない』ってね。」 再び苦笑を浮かべる。心なしか、先ほどよりも疲れているような笑みだった。 「まぁ、なんだかんだと言い訳したところで答えは【一つ】なんだ。【たった一つ】のシンプルな答えなんだ、FF。」 そして慧音は、最後の一言でFFの全ての問いに答えた。それはとても短かったが、FFが納得するのには充分すぎるほどの答えだった。 「私は【人間】が【好き】なんだよ。【好きだから】助けたいんだ。」 その夜、にとりの家でFFは考え事をしていた。無論、慧音の事である。 慧音があれほどまでに妖怪と人間の関係に固執するかは判ったし、FF自身助けてやりたいとは思う。しかし、その事を相談した相手――文の言葉が問題だった。 「ごめん、【それ】は私は助ける事が出来ないの。」 いつもなら頼みもしないのに首を突っ込み、場を引っ掻き回す文が深刻な顔で協力を拒否した。 「天狗は、妖怪の山に人が入る事をよく思ってない。天狗は【自らの役割以上を行う】事を嫌うわ。人間と仲良くする事は本当なら【役割以上】の事だと思っているの。」 「だが、お前は実際に人里に取材に行ってるじゃあないか。それはどういう事だ?」 「本当なら私も来ちゃいけないのよ。けどそんなの【知ったこっちゃあない】から来ている。この時点で【天狗社会】から異端扱いされてるのよ、私は。」 そう言う文の表情は怒りとも諦めともつかない微妙な顔だった。何故、外の世界に疑問を持たないのか。何故、内側の世界だけで満足してしまうのか、と。 「私は【特別】なの。【天狗】だけど【天狗じゃあない】微妙な存在。その私が許可したところで何の意味もなさないわ。精々、椛が見逃してくれる程度ね。だから、今回は助けられない。」 文はそう締めくくって、妖怪の山へ帰っていった。 人間が妖怪をよく思っていないように、妖怪側にも人間をよく思っていない者がいるのだ。当たり前の事のはずなのだが、その事実が余計にFFを混乱させていた。 確かに慧音の言いたい事はよくわかるし、自分も応援してやりたいとは思う。だが、慧音の考えている事をよく思っていない者は少なくはないのだ。なら、どうすればいいのだろうか? このままでは、人間達は飢えてしまうだろう。しかし、活動範囲を広げてしまえば人間を嫌う妖怪達に殺されるかもしれない。そうなってしまっては何の意味もない・・・ 「・・・ちっ・・・」 どうも考える事にフーファイターズを使いすぎたらしい。頭を振り、水分補給とクールダウンを兼ねて河へと向かった。 河へと入り込み、水分を取り込む。冷たい水が体に染み渡り、生き返る心地がした。 「どうしたの?FF。」 「にとりか?すまん、起こしたか。」 いつの間にかにとりが河岸に座っていた。以前パチュリーから貰った紫色のパジャマをえらく気に入って、寝るときはその格好ばかりしている。 青い髪とそのパジャマのコントラストは随分と滑稽に見えた。 「文に言われた事気にしてるの?FFらしくもない。」 「自分でもそう思う。だが、無視も出来ん。私自身が言った事だぜ?【押し付けは悪い事だ】ってな。」 人間達にも、妖怪達にも。互いを嫌う者がいる。それらの意思を無視して自分の意思のみを押し通すことはいい事ではないとFFはイヤと言うほど知っている。 己の事のみに固執して、周りを省みない事への対価は最終的に己に帰ってくる。今回の【己】は【自分】ではなく【慧音】なのだ。 「ん~・・・そこまで悩む事かなぁ?」 FFが散々悩んでいる事をにとりはバッサリと斬って捨ててしまった。それに対して怒ろうとFFが口を開く前に、にとりは懐から取り出した【黒い箱】をFFに突きつける。 面食らったFFは怒鳴るチャンスを失い、口をパクパクさせる。 「これ、何かわかる?」 「・・・携帯か。【外の世界】で看守共が使ってたな。」 見たことある物よりも大分と古いが、間違いなく【それ】は【携帯電話】だった。何度も分解され、組み立てられたのだろう。表面は傷だらけでモニターにはヒビが入り、ボタンがいくつかなくなっていた。 「この私ですら【コレ】の原理が理解できないの。蓬莱の姫ですら大きな箱を使っているって言うのに、こんな小さなもので【いんたーねっと】が出来る。【てれび】が見られる。こんなすごいものを作ったのは誰?」 懐からいくつもの【携帯電話】が出てくる。どれもFFが見たものよりも旧式のものばかりだ。しかし、それらを見るにとりはまるで新品のオモチャを貰った子供のような目をしていた。 「【人間】よ?幻想卿と外の世界の差はあるけれど、【人間】が作ったものである事に変わりはないわ。こんなすごいものを作る人間が愚かに見える?何の打開策もなく、ただ【嫌いだから】って理由で妖怪と協力しようとしないと?」 にとりの言っている事は間違いなく屁理屈だ。【外】の人間ですら【嫌いだから】と言う理由でコミニュケーションすら放棄する者もいる。 人間はそこまで利口ではない。だが、妖怪もそこまで利口ではないのだ。 「ね?妖怪が嫌いだから何よ?人間が嫌いだから何よ?付き合ってみればいい連中なんて幾らでもいるわ。そんなもん、付き合ってみなきゃわかんないじゃないの。」 にとりの言葉は暴論といってもいい。だが、真実でもあるのだ。何故、付き合おうともしない連中の言い分に付き合わなきゃいけないのか。 単なる偏見のみで人を見ることは愚行の一つであることは間違いない。そんな意見を取り込む事もまた愚行であり、愚考なのだ。 「それもそうか。つき合わせてみれば、判ることもあらぁな。」 確かに、何も知らない弱者の事を無視するのはよくないかもしれない。だが、【何も知らない】事が【弱者】であるとは限らないのだ。 【知る事】を恐れ、【新しい事】に無縁のところにいる者を【弱者】などとは言わない。 「そうよ。それに天狗も滝の方まで行かなきゃ手も出せないわ。そういう【決まり】だもの。」 ニッと笑うにとり。それを見てFFは、ようやく決意を固める事ができた。 時間は少し戻り、FFとにとりが妖怪の山へ戻った少し後。 「今日も儲かったどッ!しししっ!」 髪の毛を何本もツノのように固めた、奇抜な髪型の少年がホクホクとした顔で寺子屋のグラウンドで小銭の山を広げていた。 小さな山だった小銭は何故かいつの間にか大きな山へと変わっていく。 FFやプロシュートが見れば、少年の周りにいる無数の小さな【何か】がポイポイと小銭を放り投げているのが見えただろう。 「【ハーヴェスト】がいればいくらでも手伝いができるどッ!手伝いをすれば皆が助かる!オラは儲かって皆幸せだどッ!ししっ!」 満面の笑みで自分の腰までになった小銭の山を眺める。ハーヴェスト達も少年に合わせて『しししっ』と笑っている。 彼の名前は【矢安宮重清】という。慧音がFFに紹介しようとしていた最後の一人だ。いつものように農家の手伝いをしてお駄賃を貰い、貯まった小銭の合計を計算しているのだった。 「ん~・・・たくさん貯まったなぁ~・・・ななしぇんえん位にはなったかなぁ・・・」 どう見ても数万単位で貯まっているのだが、そう呟く重ちー。外の世界では⑨に【スットロい】という評価を受けている。 と、何か嫌な気配を感じたのか重ちーは、急に動きを止めた。その気配の主は、怒気を隠そうともせずにズンズンと重ちーのいるグラウンドへと近づいていく。 「しィイイげェエエちィイイイ?私は確かお前に『お客さんにお前を紹介するから今日は農家の手伝いはしないでくれ』と今朝散々言いつけたと思ったんだがなぁああ?」 「すッ!すまんどッ!!けーねしぇんしぇい!オラ、すっかり忘れてたんだどッ!!」 真後ろからの気配に土下座して謝る重ちー。先ほどのルンルン気分などとっくに空の彼方へブッ飛んでいる。 「問答無用!お仕置きだ!額を出せッ!」 言うが早いかダッシュで重ちーの正面へ回り、目にも留まらぬ速さで両手で重ちーの頭をロックしたッ!そして、己の額を重ちーの眉間に思いっきり打ち付けるッ! ゴヂン、と鈍い音が立ち、ずるずると重ちーの体が崩れる。タダの頭突きとあなどるなかれ、幻想卿一痛いと評判の【恐怖の頭突き】なのだ。 「ったく・・・お前は金が絡むといっつもこうだ・・・もう少し自制というものをだな・・・」 言葉も発せず、眉間を押さえて悶絶している重ちーを引きずりながら説教をする慧音。ハーヴェストは自分達の主を助けようとはせず、我関せずといった様子で小銭をせっせと埋める作業に戻っていた。 もし、この時に慧音がいなかったら恐らく重ちーは気付いていただろう。もしくは、慧音がもう少し周りに注意を払っていれば気付いただろう。だが、悲しいかな彼らは気付かなかったのだ。寺子屋の近くに潜んでいた陰に。 前へ 目次へ 続き
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詳しくはこちらを参照。 見出し ABC 目次 最終更新 箇条書き 段落番号 コメントアウト 太文字・色文字 リンク 表の作成 見出し 「*」を先頭に付けた行は見出しとなる。 「**」「***」とアスタリスクを増やすと中見出し、小見出し。 例 *A **B ***C と入力すると、 A B C と表示される。 目次 目次を表示するには「#contents()」を使う。目次には見出しを付けた行が表示される。 例 #contents() と入力すると、 見出し ABC 目次 最終更新 箇条書き 段落番号 コメントアウト 太文字・色文字 リンク 表の作成 と表示される。 最終更新 ページの採集更新日時を表示する場合は「 lastmod()」を使う。 例 最終更新: lastmod() と入力すると、 最終更新:2015年10月03日 (土) 20時50分08秒 と表示される。 箇条書き 「-」を先頭につけた行は箇条書きで書かれる。 「--」「---」とハイフンを増やすとインデントを変えられる(3つまで)。 同じ項目の中で改行したい場合は「 br()」を使う。 例 -A --B -C --D ---E br()F と入力すると、 AB CDEF と表示される。 段落番号 「+」で始まる行は段落番号が振られる。 箇条書きと同じく、「++」とするとインデントを付けることが可能。 また、「+」で始まる行が途切れると段落番号は振り直される。 例 +A ++B ++C +D +E と入力すると、 AB C D E と表示される。 コメントアウト 議論のために残しておきたいが、ページ上に表示したくない文章はコメントアウトすることができる。 「//」で始まる行はコメントアウトされる。 また、「 co(){{文章}}」で囲むと複数の行を纏めてコメントアウト可能。 例 //A #co(){{ B C }} と入力すると、ABCは表示されなくなる。 太文字・色文字 文字を太くする場合は「 bold(){文字}」とする。 また、色を付ける場合は「 color(色){文字}」とする。 色は「red」「blue」「green」「white」等が使用可能。 また、boldとcolorは併用できる。 例 bold(){太字}、 color(red){赤字}、 color(blue){青字}、 color(red){ bold(){赤太字}} と入力すると、 太字、赤字、青字、赤太字 と表示される。 リンク ページ中にURLを書くと直接リンクを貼ることができる。 「[[リンク名 URL]]」とすればリンク名を設定できる。 また、wiki内に存在するページならURLの代わりにページ名でもリンク可能。 なお、「 」を二つにすることで別ウィンドウで開くように設定できる。 例 http //yugioh-wiki.net/ [[遊戯王カードWiki http //yugioh-wiki.net/]](別ウィンドウで開く) [[EMEm/2015-04]] と入力すると、 http //yugioh-wiki.net/ 遊戯王カードWiki(別ウィンドウで開く) EMEm/2015-04 のようにリンクを作成できる。 表の作成 文字を「|」(バーティカルバー)で区切ることで表の要素を作ることができる。 例 |A|B| |C|D| |E|F| と入力すると、 A B C D E F のように表ができる。 詳しくはこちらも参照のこと。
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第12話:地下の大図書館、そして吸血鬼④ 魔理沙は先程と同じようにフランへ突っ込む。スターダストレヴァリエはもう使えない。 ルール上、一度攻略されたスペルカードは同じ試合上では使ってはいけないことになっている。 弾幕ゴッコ、とフランが言ってしまってる以上ルールは絶対だ。 「なんのつもり?貴方のそのやり方はもう【覚えた】のよッ!」 勝ち誇ったように言い放ち、カードを振りかざす! 「この距離なら【外さない】ッ!禁弾【スターボゥ・・・」 しかし、そのカードは使われる事は無かった。何故なら、【真下】から飛んできた黒い弾に邪魔されたからだった。黒い弾幕を撃ってくる相手などフランは覚えがない。 いや、 【ついさっき、見つけたか】。 「お姉ちゃん・・・?何のつもり?ねぇ。私が折角遊んでるのに・・・邪魔するの・・・?」 穴の開いてしまったカードを投げ捨て、笑みを消したフランは真下を見る。 そこには、穴だらけのFFが人差し指をこちらに向けていた。 「よぉ・・・フラン。何で、お前は壊しちまうんだ?」 最短でフランの下にたどり着くために甘んじて弾幕を喰らった。残りの水分はさっきの半分も無いだろう。水分節約のために水がこぼれないような傷はそのままにしてある。 しかし、【それだけの事】をする【価値があるから】そうした。ここからが正念場だ。FFは睨みつけてくるフランに呼びかけた。 「どういう意味・・・?」 「お前・・・魔理沙が好きなんだろ・・・?壊したくないんだろ?何で壊す?」 分裂するフー・ファイターズに歓声を上げ、あげると言ったら純粋に喜び、礼まで言った。 そんな純粋な子が破壊を繰り返す事を【性】の一言で片付けてしまってもいいのか・・・? 「私の能力は【壊す事】よッ!?それを否定しようと思っても出来るものじゃあないわッ!」 「いいかフランッ!生きていく上で最も【大切な事】はッ!【自分を乗り越える事】だッ!能力が【壊す事】だからって【壊しちゃいけないものまで壊す】ことはないんだぜェッ!」 「知ったフウな口をッ!」 「【知っているから】言ってんだよこのボケッ!」 「うるさいッ!喋るなお前ェエエエッ!」 フランがこちらに向きを変える。そして、カードを振りかざした次の瞬間! 「おいフラン!お前さんの相手は誰だったか覚えてるかッ!?魔砲!【マスタースパーク】ゥウ!」 ry まるで迷路のような図書館をゆっくりと進んでいく二人。揺れこそ小さくなってきたが、本の落下はまだ止まらない。 「むきゅー・・・妹様、今日はすごく張り切ってるみたいねぇ・・・」 元々、この図書館で本を読んでいるだけの紫モヤシでしかないパッチェさんである。早々にスタミナ切れを起こしたため、休み休み歩く事にしているのだがどうしても時間がかかる。 一応腐っても魔女なのでジェリーフィッシュプリンセスは展開状態のままにはなっているが。 「にしても、何?フランって子が暴れるたびにこんな倒壊起こしてるの?」 本来、河で発明か修理か分解しているだけのHIKIKOMORI河童であるにとりさんである。パチュリー程ではないがスタミナの無さには自信があったため、無理をしていない。 発明品(一応)であるのびーるアームは未だ健在で、一生懸命落ちてくる瓦礫を叩き落している。 「えぇ。ここまで酷いのは妹様が脱走して以来だけど、本棚が壊れるくらいなら一週間に9回くらい。」 「毎日じゃないか。」 というか週に9回って1日2回壊してる日があるってことかい。 「いえ、客人が来る時は1日3回よ。」 「よく生きてるわね貴方・・・」 これだけの質量の物体が落っこちてきたらたとえ魔法使いでも死にそうなものだが・・・ まぁ、それはココの問題であって自分の問題じゃあない。にとりはそう考え、話題を打ち切ることにした。 壊れるたびに自分を呼ばれたら堪ったもんじゃない、という本音もあるが。 「ところで、まだつかないの?かなり歩いたような気がするんだけど・・・」 にとりが弱音を吐いた時、今まで以上の大きな揺れが紅魔館を襲った! 「ひゃあッ!?」 「にとり!」 迂闊だった。少なくとも魔理沙とフランが戦っているのなら、この程度の揺れで治まるはずが無いのに! 嫌な予感がして咄嗟ににとりを突き飛ばし、ジェリーフィッシュプリンセスを上方に強化、展開する。かなり大きな衝撃と共に今まで自分を護っていた泡の結界が弾けた。 パチュリーにとって幸運だったのは、ジェリーフィッシュプリンセスが弾けた時にはすでに揺れが治まっていた事だろう。 パチュリーの周囲には、落下したシャンデリアが無残な姿を晒していた。何か気持ち悪いロン毛の男にいくつか破片が刺さっているがまぁ無視していいだろう。 「ぱ、パチュリー!大丈夫!?」 突き飛ばされたにとりが上に手をかざしたままの姿勢で固まっているパチュリーに呼びかける。本当は駆け寄りたいのだが、腰が抜けてしまって匍匐前進しかできない。 「・・・」 返事は無い。まさか、どこか怪我をしたのだろうか!? 「パチュリー!どっか怪我した!?ねぇ、返事して!」 「こ・・・」 固まっていたパチュリーが言葉を発する。どこか痛めたのだろうか?いつもなら怪我を治してくれるFFは今はいない。どうしたらいいのか? これだけの事を頭に思い描いていたにとりはパチュリーの次の言葉を待った。 「怖かったぁー・・・怖かったよぉー・・・」 ぺたん、とその場に座り込み、泣きじゃくるパチュリー。固まっていたのは脳みそが現状に対応できなかったせいだろう。怪我もなさそうだ。 「良かった・・・怪我は無いよね?パチュリー?」 ずりずりと匍匐前進をしてパチュリーのそばまで寄るにとり。まだ腰は抜けたままだ。 座り込んでいたパチュリーは、にとりの姿を見つけるとガバっと抱きついた! 「うぅ・・・うっく・・・むきゅー・・・」 「え、ちょっとパチュリー!?」 まるで子供のように噛り付くパチュリーを無理矢理引き剥がすわけにもいかず、困り果ててされるがままになるにとりなのだった。 作戦はこうだ。まず魔理沙が接近し、FFから注意を逸らす。そしてFFにスペルカード宣言を邪魔してもらう。フランはFFの方に注意が向くだろうからそこを狙ってマスタースパーク、という計算だった。 魔理沙の放った魔砲は、フランを貫き紅魔館に風穴をブチ開ける予定・・・だった。実際にフランを巻き込んだし、紅魔館に咲夜がブチ切れる程の巨大な穴は開いた。しかし。 フランが【後ろを向いて】【何かを抱えるようにして】攻撃を喰らったのは予定外だった。 生き物というものは大概後ろ、と言うのは弱点になりうる。そして、魔理沙は本気のマスタースパークを放ったのだ。【後ろを向かれる事など】想定していない。 「え、ちょっ!フランっ!?」 驚いた魔理沙が思わず声を上げる。当たり前だ。いくら吸血鬼とはいえ、マトモに喰らったら無事ではいられない威力である事は前の紅魔異変の時に確認済みだ(その時はレミリアだったが)。 「な・・・おい!魔理沙ッ!お前、何をしてるだァー!?」 想定外だったのはFFも同様だった。余波を浴びただけだが、この熱量は並の人間なら確実に消え去るほどの威力じゃあないか! どう考えても【ごっこ】の域を超えているッ! 「こっちが聞きたいぜ!フラン!?無事かっ!?」 土煙の中に呼びかける。前から何を考えているかわからないヤツだったが、今度ばかりは全く理解できない。 呼びかけてからしばらくして、中から小さな影が姿を現した。紅いドレスはボロボロで、背中の羽根も片方もげてしまっているが、生きている。 「よ、よかった・・・肝冷やしたぜ・・・」 安堵の溜息を漏らす魔理沙。見た目は酷そうに見えるが、フランは吸血鬼だ。あの程度なら再生できるし、最悪レミリアかパチュリーにでも診せればなんとでもなる。 しかし、気になる事がある。さっきの行動だ。今までうっかりマスパやレヴァリエを直撃させた事はあるし、こんな状態にしてしまった事もある。だが、【自分】に【背中を見せる】などと言う事はなかったはずだ。 まぁ、それは後で聞けばいい。今はフランを休ませよう。そう考え、魔理沙はフランに呼びかけた。 「フラン、聞こえるか?フラン?」 「魔理沙・・・?」 「あぁ、そうだ。」 土煙が晴れ、フランの姿が見えた。惚けている様だが、こちらの呼びかけに答えてくれる。心配はいらないだろう。 そう考えた魔理沙だったが・・・ 「魔理沙・・・私、壊しちゃった・・・また、壊しちゃったよぉ・・・」 「え?」 急に泣きじゃくったフランを見て一瞬動きが止まる魔理沙。辺りを見回してもフランが壊したものは壁くらいなものだろう。自分の方が数十倍壊しているわけだし。 「お姉ちゃんに貰った生き物・・・壊しちゃった・・・」 「お姉ちゃん?」 「フー・ファイターズの事か?」 なんのこっちゃ、と首を捻る魔理沙に変わって聞くFF。そういえば自分自身すっかり忘れていたが、フー・ファイターズの一部をあげていたのを思い出したのだ。 FFの言葉にこっくりと頷くフラン。涙とハナミズでグチャグチャだったが、FFはそんなフランを力強く抱きしめた。 安心したのだ。この子はちゃんと【壊した】という事に【罪】を感じている。モノを壊す事が【悪】であると知っている。なら後は自分を乗り越えるだけだ。 「いけない事だってわかってるんだよな?壊しちゃいけないって。」 「うん・・・うん・・・」 「わかってるならいい。後は【壊さないように】努力をするだけだ。」 「どりょく・・・?」 「そう、努力だ。【壊さないようにしよう】じゃあない。【壊さないように】努力するんだ。難しい事だが、決してできない事じゃあない。わかるか?」 「うん・・・」 ゆっくりと言って聞かせる。ここで新しいフー・ファイターズを与えてやるのは簡単だ。しかし、FFは【あえて】そうしなかった。 新しく与える【フー・ファイターズ】はフランが壊してしまった【フー・ファイターズ】とは別の存在だ。無くなったモノは二度とは返らない。それだけは知っておいて欲しかったのだ。 と、FFはフランの胸元でウジュルウジュルと蠢く【何か】を見つけた。どうやら神様とやらは悔いたフランにゴホウビをあげたらしい。 「フラン。どうやら泣くのはまだ早かったみたいだぞ?」 「え?」 FFの目線を追って自分の胸元を見る。すると、黒い【何か】が自分のフリルに引っかかっていた。 「あー!!」 「よかったな、フラン。さっき言った事を実践できるじゃあないか。」 「うん!壊さないように【努力】するんだね?」 さっき泣いていた烏がなんとやらってーのはコレをいうのかね、と魔理沙はニコニコと黒い物体を掲げているフランを見て苦笑した。 さっき背中を見せた理由は、あの物体を護るためだったのか。しかし、と思い直す。 自分やレミリアや咲夜では、こうは行かないだろう。叱るか代わりのモノを与えてハイおしまい、だ。 そういう意味ではこのFFとかいう女はフランの相手としては自分以上に最適なんだろうな、とガラにもなく嫉妬心をいだくのだった。 「ま、私もこの中に入るほど空気が読めない女じゃないぜ?霧雨魔理沙はクールに去るぜ。」 どうせこの分じゃあ大図書館も酷い事になっているだろう。パチュリーの所に行くのは今度でいいや、と部屋を後にしたその時。 「ふ~ん。パチュリーを泣かし、フランをボロボロにして、図書館を見事に破壊してくれたのにクールに去っちゃうんだ・・・?」 【真上】から声がする。 魔理沙はこの声に聞き覚えがあった。自分の記憶に間違いがなければ恐らく近くにPAD長もいるだろう。 この状況は圧倒的に不利ッ!最悪、後ろで笑っているフランまで参加しかねないィイイ!ならばやる事は一つだ。霧雨家に代々伝わる必殺の策だ。それは。 「逃げるんだよォォォ!」 叫ぶや否や、FFとフランによって半分にされた箒に飛び乗って高速で逃げ出す魔理沙。文に最速の座を奪われたとはいえ、まだまだこの速さは健在だ。そう簡単に止められて堪るかよッ! 「咲夜ッ!美鈴ッ!」 後ろから声がする。美鈴?美鈴って誰だ?その迷いは、魔理沙にとって致命的となった。 前方に見える影は二人。片方はPAD・・・もとい咲夜だ。もう片方は・・・ 「あー・・・そういや、中国って紅美鈴って名前だったか・・・」 「いい加減名前を覚えろ霧雨魔理沙―――ッ!」 中ご・・・もとい紅美鈴の叫びが1対3(後にパチュリーが加わって1対4)の変則弾幕ゴッコの合図となった。 次の夜。 一昼夜続いた追いかけっこは魔理沙の脱出、という形で幕を下ろす事になった。 暴れたい放題の魔理沙と違い、うっかり壁を壊して日の光が入らないように気をつけた紅魔館メンバーの隙を突いたのだ。 まぁ、いつもの事であるので誰も気にはしなかったが(ただし、中国は魔理沙を進入させたバツとして48時間連続労働を命じられた)。 今回の騒動で変わったことといえば、紅魔館史上初めてフランが魔理沙を追いかけることを我慢したという事だろう。 あの妹様がFFやにとり、早々に弾幕ゴッコをリタイアしたパチュリーと共に大人しく図書館で本を読んでいたことは、咲夜にとってスタンドも月までぶっ飛ぶ衝撃だったという。 そしてFFとにとりが帰る時にはフランも咲夜・パチュリーと共に見送りに着ていた。 「中国に貴方の事は話しておいたわ。技術書とかもあるからいつでもいらっしゃい、にとり。」 「うん。ありがとうね、パチュリー。あと泥棒対策も一緒に考えなきゃね。」 いつの間に仲良くなっていたのか握手までして別れを惜しむにとりとパチュリー。この調子なら人見知りも治っていくかな、と保護者のような感じ方をするFF。 「フーお姉ちゃん!ユナありがとうね!絶対に今度は壊さないよ!」 「あぁ。ちゃんと世話するんだぞ?」 「うん!」 ニコニコとフー・ファイターズ――ユナを掲げてみせるフラン。 少しずつ壊さない努力を重ねていけば、きっとこの子は今よりももっと魅力的になるだろう。その日が楽しみだ。 「「それじゃあ、また。」」 そう言って一人の新生物と一人の妖怪は、妖怪の山へと帰っていくのだった。 同時刻、紅魔館ゲストルーム。 唯一見送りをしなかった主――レミリア・スカーレットは【もう一人いるゲスト】のチェスの相手をしていた。 「しかし、いいのかい?仮にも館の主が見送りをしなくて?」 その【ゲスト】はそう言ってチェスの駒を動かす。 「貴方がいるのに?それに彼女達はパチュリーの客よ。私が出しゃばっちゃあパチュリーの誇りを傷つける事になる。」 【ゲスト】の手に眉を顰め、レミリアは慎重に駒を動かす。 「そういうものか。それじゃあフランを見送らせるのもその【誇り】とやらを傷つけるんじゃあないか?」 【ゲスト】が駒を動かす。その手に迷いは一切無い。 「あの子、贈り物を貰ったらしいの。そのお礼を言うんだーって聞かないから。」 レミリアが駒を動かして敵の駒を取る。しかし、レミリアの表情は晴れない。 「ふむ。それはいい事だな。好感が持てる。」 駒が動く。ビショップが取られる。 「けど貴方が興味を持たない相手なんていたのね?FFだったかしら?」 駒を動かす。クイーンを取る。 「彼女の目の輝きがあまり好きじゃなくてね。かつての宿敵を思い出す。」 駒が動く。ポーンが消える。 「ジョースター、だったかしら。その宿敵・・・あら、後4手でチェックメイトか。負けたわ。」 チェス盤を見て溜息をつくレミリア。どうにもこの友人にチェスで勝つ事ができない。 「君は部下を大切にしすぎる【クセ】があるみたいだぜ?もう少し非情にならなきゃあな。」 「肝に銘じておくわ。ところでもう一局、どう?DIO?」 「あぁ。喜んで。」 前へ 目次へ 続き
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第17話(外伝):不思議なあの人はエイリアン その① 宇宙人、支倉未起隆の朝は比較的遅い方に分類される。いや、そもそも寝ているかどうかすら怪しいのだが・・・ いつものように、今の時間・・・地球の時間で言えば朝10時5分きっかりに自分を【着ている】今の主を起こしにかかる。 「輝夜様、朝ですよ。今日は鈴仙様と出かけるのではなかったのですか?」 軽く揺すってやると、もぞもぞと布団の中で動き回りまだ出たくない事を主張する。だが、過去にこの主張を受け入れて良い結果になった試しがない事は重々承知しているため、手を緩める事はしない。 「輝夜様。起きてください。永琳様に叱られますよ?」 「む~・・・あと5分・・・」 丁度5分前と全く同じ事を言い出す輝夜。このままでは起きそうにないな・・・と軽く溜息をついた未起隆は、強行姿勢に出る事にした。 「輝夜様。いい加減に起きないと怒りますよ?」 「みゅー・・・」 聞こえているのかいないのか。よく判らない鳴き声を発して全く動こうとしない輝夜を見て、彼は【無理矢理起こす】事に決めた。 と言っても、大した事はしない。ただ、全身に力を入れて【ジャンプ】するだけだ。まぁ、永遠亭の屋根に巨大な穴が出来るだけなのだが。 ドゴォアアアッ! 「イ゙ェ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!?」 かくして、永遠亭に今月三回目となる大穴が出来上がり、輝夜はめでたく今月50回目の死去を迎える事となった。 今日の輝夜:未起隆の暴走により、天井を突き抜けたショックで圧死。 「はぁ・・・またですか?姫・・・今日は大丈夫かなーと思ってたんですが・・・」 「文句なら未起隆に言って頂戴。何が悲しくて姫様が顔面から天井に突っ込まなきゃなんないのよ。」 「いえ、輝夜様が昨夜ご覧になっていたゲームの映像で使えそうだと思ったので。」 早々にボロボロとなった輝夜を治療する永琳。このやりとりもすでに慣れてしまっている。ある程度の治療を済ませると輝夜は【自分の着ている服】をジト目で睨みつけた。 「いいから、次から普通に起こして頂戴。一応私も女の子なんですからね?」 そう言って輝夜はぷーっと膨れるのだった。 支倉未起隆、本名ヌ・ミキタカゾ・ンシ。マゼラン星雲出身の【自称?】宇宙人である。博識には定評のある永琳でさえマゼラン星雲に生命体がいるなど聞いた事がないのだが、本人が頑なにそう主張しているのでそういうことになっている。 まぁ、吸血鬼やら妖怪やら果てはプランクトンが集まって意思を持った新種の生命体が存在する【幻想卿】にとっては今更な事である。まぁ、彼の趣味のせいでハツカネズミが永遠亭内で走り回っていたのは問題であったが。 「まぁ、こちらとしては助かるからいいんだけれど。」 「何か仰いましたか?」 「いいえ、何も。ところで姫様がお出かけになるのは何時から?」 「確かお昼の3時頃だった筈です。ですのであと2時間10分27秒後ですね。」 「了承。じゃあ急いで調合を終わらせないと、ね。」 にこやかに呟くと目にも留まらない速さで永琳の目の前の薬品達が調合され、あるいは分離し、試験管やシャーレに移し替えられる。彼女の能力は「あらゆる薬を作る程度の能力」。 それ故に昔は月の賢者だの月の頭脳だのと呼ばれていたが、今ではしがない薬剤師である。 そして、未起隆の能力(スタンド?)は「全身を様々なものに変化させる程度の能力」。補足として、「衣服に変化した場合、着用者の約2倍の能力を引き出す」というものがある。 「約2倍の能力」は文字通り【能力(永琳の場合は薬を作る能力)】すらも倍にしてくれるらしく、【ある事情】で普段は輝夜の衣服に変身している。今は仕事の手伝いのために一時的に永琳の服になってもらっているが。 「ふぅ・・・これで今日の分は終わりね。お疲れ様、未起隆。」 「その言葉はわたしにではなく、わたしが貴方に言うべきでは?」 「それもそうか。」 「では、改めて。お疲れ様でした、永琳様。」 仕事が終わったのを確認すると、永琳の来ている赤と青のツートンカラーの服が包帯のように解け、長髪の背の高い男になる。この男が未起隆の本来の姿である(らしい)。 最初の方は【男を着ている】、という事実からか妙な背徳感を持っていた永琳と輝夜だったが、未起隆自身が何の羞恥心も持っていないため今ではすっかり慣れっこになってしまっている。 「さて、私は後片付けしたら寺子屋へ行くから姫様の所へ戻っていてもらえるかしら?今日は鈴仙と出かけるらしいし。」 「了解しました。しかし、珍しいですね?輝夜様がお出かけなんて。」 「その言葉、姫様の前で言わないようにね。どうも妹紅にニートとか引きこもり呼ばわりされてること気にしてるみたいだし。」 「はぁ・・・難しい年頃、というヤツなのですかね?」 腕を組んで首を傾げている未起隆を見て、(アンタよりも1000年以上年上だけどね姫様・・・)と思わずにはいられない永琳だった。 一般的に(妹紅の悪口のせいで)永遠亭に引きこもってると思われがちな輝夜だが、実はかなりのアウトドアである。 筍が取れると聞けば一人で竹林に突撃して迷子になったり、竹林に人が迷い込んだと聞くや竹林に突撃して迷子になったり、てゐの嘘に引っかかって竹林に突撃して迷子になったり・・・ なので、彼女が外出(大抵ヒマを持て余してだが)する場合は誰かの同行が必須となっている。大抵は鈴仙や永琳の手伝いがてら、なのであまり心配はないのだが。 「だから絶対に私からはぐれないで下さいね?輝夜様?」 「はーい!」 ブレザーのウサ耳少女――鈴仙・優曇華院・イナバの注意に大人しく返事をする輝夜。正直、不安で仕方ない・・・ 「だーいじょーぶよ!ウドンゲ!私が後からついていくから!」 「それが不安なの!っていうかウドンゲっていうな!」 輝夜の陰からヒョコッともう一人のウサ耳少女が顔を出す。自称【幸運兎】、実質【兎詐欺】の因幡てゐだ。三度の飯より悪戯が好きというトンでもない兎で、竹林で迷う人間のおよそ7割はコイツのせいだと言われている。 「じゃあ・・・ホイホイ?」 「何をホイホイするんだ何をッ!普通に鈴仙と呼びなさいっ!」 てゐの言葉に噛み付いた後、ドッと疲れたように項垂れる鈴仙。一応自分の方が上司のはずだが、この兎詐欺は何時まで経っても人の言う事を聞きゃしない・・・ス○ッフサー○スにでも電話したい気分だわ・・・ 「ところで鈴仙。今日は何しに行くの?」 「あぁ、それはわたしも気になっていました。今日は竹林の外に行くのですか?」 輝夜と彼女の服――未起隆が質問する。輝夜自身は気付いていないようだが、未起隆の記憶が確かならばこの方角は人里であるはずだ。少し前に寺子屋でゴタゴタがあったと永琳は言っていたが、それが関係するのだろうか? 「えぇ。今回は人里に。寺子屋と分社の建築で怪我をしないうちに薬や栄養食を渡すようにと。あと定期健診ですね。」 「定期健診って・・・どなたか具合の悪い方が?」 「具合っていうか・・・ちょっと引きこもりの様子を見に行くだけって感じだけど、ね。」 未起隆の言葉に少し苦笑したような返し方をする鈴仙。後ろでてゐも少し苦笑していた。 人間の里。妖怪だらけの幻想卿において【安全】が保障されている数少ない場所。 幻想卿のほとんどの人間が暮らしている場所で、少ないながらも妖怪もちらほら混じっている。その入り口よりも少し外れた場所、そこが慧音の寺子屋である。 今は旧校舎は焼け落ち、少し離れたところに木製の柱が何本も立てられている。そしてその前に二人の女性、その柱の中あるいは上では何人もの男達が作業をしていた。 「どうもー!ヤゴコロ製薬ですー!お薬と栄養食をお届けにあがりましたー!」 鈴仙がその集団に呼びかける。ヤゴコロ製薬、とは人間の里での鈴仙や永琳の作る薬の総称で永琳の帽子を被った妙な座薬のキャラクターが目印となっている。見た目は大変アレだが効果は確かなため、NITORIブランドと共に人間の里では重宝されている。 呼びかけに気付いたのか、二人の女性――寺子屋の持ち主である慧音とドサマギで分社を建てている神奈子だ――がこちらに近寄ってきた。男達は呼びかけた瞬間は止まったが、すぐに作業に戻る。中途半端な状態で中断すると危険だからだ。 「や、毎回悪いわね~。」 「すまないな、毎回。永琳は元気か?」 鈴仙に交互に呼びかける。前者は神奈子、後者は慧音だ。言葉だけ見ると神様のクセにカリスマが慧音に負けているが、本人曰く『多少フレンドリーな方が今は信仰を集めやすいのよ』らしい。 と、神奈子が『おや』と輝夜の存在に気付く。 「竹林とこの姫様じゃあないかい。今日は何をしに?」 「新しい盆栽が欲しくてね。ちょっと無理を言ってついて来たの。」 女の子がやるにしてはやたらとジジ臭い趣味である。まぁ、未起隆が来る前は話し方も琵琶法師のようだったし、彼女らしいと言えばらしいか。 ついでに言えば、彼女がここまでアクティブになったのも最近の事である。それまでは人との関わりを極端に嫌い、話す相手は永琳と鈴仙やてゐ、たまに遊びに(殺しに?)くる妹紅のみであった。 それを考えれば大した変化だ、と鈴仙は思う。香霖堂で【ぱそこん】とか言うのを手に入れてからはすっかりそれにハマってしまっているのは困り物だが。 「そうだ、妹紅に会っていくか?アイツと最近会ってないだろ?」 「ここ一帯焼け野原になるわよ?今夜辺り久々に喧嘩したいから竹林でって言っといて?」 「了解だ。妹紅もきっとよろこぶぞ?」 慧音と輝夜が談笑している頃には男たちも作業を一区切りさせ、わらわらと集まってきた。鈴仙の薬と栄養食を貰うためだ。 建設というのは怪我と隣り合わせの作業である。大きな怪我こそ気をつければそうそう起きないが、擦り傷や切り傷などはどうしても起きてしまう。また、長時間作業しているとどうしても疲労が溜まってしまう。 その為、慧音が永琳に傷薬と疲労を回復させる事の出来るものを頼んでおいたのだ。それを永琳や鈴仙が定期的に運んでいるのだった。 「お、すまねぇな姉ちゃん!切り傷作っちまってよぉ・・・」 「打撲に効くヤツはあるかい?ちょっと木材蹴っ飛ばしちまってな。」 「オレは薬はいいや。リポ○タン○ってヤツ貰えるかい?」 「はいはい、ちゃんと並んでくださいね?あと、○ポビ○ンDなんて栄養ドリンクはないですから!」 男達を並べて一人ずつ症状を聞き、渡していく。輝夜もそれに気付き手伝い始めたため、男達の列が2列になる。 輝夜の方が列が長いのが泣けてくるが、まぁ仕方ないだろう・・・片やウサ耳少女、片や十二単のお姫様だ。差なんて言わずもがな・・・けどこっちの方がスタイルいいのに・・・ 「ん、どした?姉ちゃん?」 「い、いえいえ!何でもないですよ!えっと、シップ薬でしたっけ?」 「いや、傷薬だが・・・大丈夫か?」 「えぇ!大丈夫です!もーまんたいですよ!傷薬ですね!」 ついついパルスィってしまったらしい。心配そうにしている男に慌てて薬を渡す。 そして仕事をしながら(輝夜様が同行するときはもっとスカート短くしてやる・・・)と、無駄な対抗心を燃やす鈴仙だった。 おまけーね 元々、二つの(国内有数のフリーダムな)学園が一つになった東叙学園は部活・サークルの多さも異常なほどある。 その割に生徒数は普通に二つ分の学園の人数しかいないため、自然と部活・サークルの掛け持ちをする生徒は多い。 通称病弱部長、パチュリー・ノーレッジもその一人である。 彼女は、魔理沙目当てで入った【漫画研究部】の他に、元【魔術書研究同好会】現【読書部】の部長も勤めている。 彼女自身は静かに本を読めればそれでよかったのだが、如叙学園の野郎共が彼女目当てで入部したのと(彼女自身知らない事だが、東方学園の女生徒の半分以上にファン倶楽部がある)今までいなかった顧問の先生がついたこともあり、あれよあれよと言う間に部長になっていたのだ。 また、彼女にとっては大変不本意な事に彼女の天敵とも言える存在がイヤでも読書を中断させざるを得ないのだった。 「パチュリィイイイッ!貴方【また】【私の】魔理沙を誑かしたわねェエエ!」 「単に、貧血と鼻血と吐血で倒れたのを運んでもらっただけよ!っていうか【私の】って何よ【私の】って!」 無数の人形が【読書部】内に飛び込んできたかと思うと、人形がドッカンドッカンと無差別に【部員】を・・・と言うより【パチュリー防衛隊】(本人未承諾)を吹っ飛ばしていく。 吉良先生が顧問の【爆弾部】お手製の人形、名付けて【殺人大江戸女王】だ。殺人などという大層な名前がついてはいるが、これで人が死んだ事は一度もない。 「正面!あぶねぇパチェ先輩ッ!」 「お、億泰君!?」 パチュリー防衛隊隊員にして、読書部で唯一本を読まない男である億泰が体を張って弾を防ぐ。つーかスタンド使え、億泰。 「お、俺・・・頑張った・・・頑張って護ったぜ・・・仗助・・・」 そう言うとパタリと倒れこむ億泰。だからスタンド使えっつーのに。 「あら、パチェ・・・護ってもらうなんて人望あるのね・・・?」 「さぁ・・・転んだんじゃない?この子スットロイから・・・」 姿を見せたアリスに応えるパチェ。くどいようだが、彼女は自分にファン倶楽部などと言うものがあるとは知らない。 「ふっ!まぁいいわッ!今日こそ決着をつけるわよッ!魔理沙に相応しいのはどちらかッ!」 「面白い!やってみろッ!このパチュリー・ノーレッジに対してなぁッ!!」 こうして、東叙学園が始まって実に35回、東方学園時代から数えて10098回目となるノレマガ大戦が始まったのだった。 ちなみに、その頃承太郎たちはと言うと。 「ここだ!ここの電話で数ドル払って電話するとダイエットコークが貰えるんだ!」 「普通にダイエットコーク買って電話した方が安いじゃねぇか。何の意味があるんだ・・・?」 「さぁ・・・あ、ポルナレフ。言い忘れてたけれどそこのトイレ、ハッテン場として有名だから間違っても入るなよ?」 「先にいいやがれアヴドゥルゥウウウッ!」 「ところで、ゆかりんがいる校長室はまだなのかい?」 「オメーの趣味も大概だぜ、花京院・・・」 【モノ知りアヴさん】に何故か学園の案内をされていた。そして、とある教室を通り過ぎようとしたその時。 なんだかよくわからない爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされた・・・ 補足:読書部 パチュリー・ノーレッジが部長を務める部活。文字通り本好きの集まる部だが、多聞に漏れず裏の面も持っている。 裏の面は別名、【BL研究室】。パチュリーや小悪魔、トリッシュ等、女性が主なメンバーであるが何故かソルベにジェラート、サーレーにズッケェロと男性部員も少なくない。 読書部の顧問はDIO先生。滅多に顔を見せない、というか顔も見たことがないのが実際のところである。 前へ 目次へ 次へ
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第13話:人間が好きな妖怪 その① 「教師ィ?」 妖怪の山に戻って数日。少しずつながらも接客を覚えてきたにとりに営業スマイルを教えていたFFは、その珍妙な客の依頼に眉を顰めた。 客の名前は上白沢慧音。人間の里で寺子屋をやっている半妖だという。 そして、肝心の依頼内容は自分の寺子屋で教師をやってほしい、というわけのわからないもの。 「えぇ。コレを読んで貴方には人に何かを教える【才能】があると思いまして。」 灰色の紙の束をヒラヒラと振る。その紙には【文々。新聞 号外】とでかでかと書かれていた。 あの天狗、あとで絶対焼き鳥にしてやる、と心に硬く誓うFF。 「フランの事を言ってるなら、ソイツはお門違いだ。あの子には元々知っていた事を【自覚】させただけだ。教えたわけじゃあない。」 「しかし、フランドールに自覚を促したのは貴方だ。」 一向に引かない慧音にうんざりとする。自分はモノを教えるような立場ではないと言うのに。溜息をついて「とにかく却下だ」と言おうとした矢先。 「いいんじゃあないの?FF。」 河の方からいらない言葉が飛び出してきた。にとりだ。日課の修理の仕事を終え、体中に引っ付いた砂鉄やら埃やらを水で洗い流していた。 最初は河を護るべき河童が河を汚してどうするんだと思ったが、何でも定期的に河の掃除をするからいいんだー、だそうだ。幻想卿にきて2週間と少し経ったが、全くそんな光景を見たことが無いということを付け足しておく。 「前から私に出張修理やってみろって言ってたじゃない。一緒に行くわよ~?」 にやにやしながら河から上がってくる。とんでもなくウザイがとりあえず放置。今は慧音との会話が第一である。 「何で私なんだ?言っちゃ悪いが、私よりもアンタの方がモノを教えるのは上手いだろう。」 「・・・妖怪たちに人間と仲良くして欲しいからです。」 慧音のその一言は、FFの態度を変えさせるのには充分だった。黙って先を促す。 「今の幻想卿に住む人々は、この世界がもうすぐ妖怪に乗っ取られるんじゃあないかと思っているのですよ。」 「どういう意味だ?確かに幻想卿には強力な妖怪はいる。だが、幻想卿を乗っ取ろうと考えるヤツなんかいないはずだろう?」 この幻想卿での大妖怪、と呼ばれる存在――西行寺幽々子やレミリア・スカーレット等――はそんな事を望んでなどいない。当たり前だ。幻想卿という【小さな世界】を乗っ取ったところで何にもならない事を彼女達自身が良く知っている。 いくらこの世界を乗っ取ったところで幻想卿の外では彼女達は生きられないのだから。 「それは妖怪側の都合。人間達はそうは思っていない、と言う事です。現に博霊神社は妖怪に乗っ取られている、いずれ自分達を襲うつもりだと考えている者も現れている。」 博霊神社。確か、妖怪の山の向かいにある山の神社だったはずだ。何でもこの世界を覆っている結界(それがどういうものかはFFはわかっていないが)の基点となっているんだとか。 確か、そこの主はまだ人間のはずだが。 「その博霊の巫女が全く人里に姿を見せてくれないんだ。しかも最近来た神様は妖怪が信仰していると聞きます。今の幻想卿には人間が信仰する神様が【存在しない】。それはとても危険な事なんです。」 慧音の言葉に素直に頷けないFF。幾らなんでも信仰如きでそこまで深刻になるとはとても思えないからだ。 確かにこの妖怪の山には神様が二人住んでいる。妖怪たちが信仰しているという事実もある。だが、それは【人間が信仰してはいけない】と言う事と同義ではない。 「人間ではない貴方達ではわからないでしょうが、【信仰】と言うものは人間達にとって【心の拠り所】なのです。それに、【妖怪が信仰している】という事実のみで勝手に邪神だと思っている者もいます。」 自分勝手な人間もいたものだ、とは思う。妖怪が普通の神を信仰して何が悪いのだろうか?普通の神である証拠に人間である魔理沙も面白がって天狗に混じって参拝(という名の泥棒行為)に来ている。 別に間違った教えをしていなければ一緒に信仰すればいいのだ。 「それはハッキリ言って里の人間が悪いんじゃあないか?妖怪たちもちゃんと節度を持って生活しているんだ。勝手に怯えて勝手に敵愾心を持たれちゃたまったもんじゃあないだろう。」 「えぇ。だからこそ!」 FFの言葉に声色を強くして詰め寄る慧音。この目はヤバイ。看守に対する悪巧みを思いついた除倫やエルメェスの目とそっくりだ。 「だからこそ妖怪たちに教師をして貰いたいんですよ。決まりさえ守れば妖怪は怖い存在ではない、隣人になれる存在なのだと教えていきたいのです!」 だんだんとヒートアップしていく。これはヤバイ。色々な意味でヤバイ。 「とりあえず言い分はわかった。わかったから少し落ち着いてくれ。じゃないと――」 「何々!?FF教師やるの!?取材していい!?ねぇいい!?」 FFの言葉を遮って慧音に負けないほどの大声が響く。遅かったか・・・ 「毎度お馴染み、射名丸文!ただいま参上!」 「参上せんでいいパパラッチ天狗!ったく・・・まだ教師になると決まったわけじゃねぇ。話を聞いてただけだ。」 F1レーサーもびっくりな速度で降下してきた文に呆れ帰るFF。コイツは絶対に新聞記者じゃなくゴシップ記者と名前を変えたほうがいい。 そんなFFの胸中も知らずに、暢気に文化帖を広げる文。 「あー・・・もぅいいや。一応やるだけやってはみよう。だが、うまくやれるかは保障しないぞ・・・?」 頭を掻きながら慧音に言う。この天狗が出てきた時点で自分の負けは決定したようなものだ。 付き合ってみてわかったが、文は【ペンは剣より強し】を全身で示しているような女だ。いつもはゴシップ記事しか書かないクセに何故か他人の秘密にやたらと詳しかったりするのだ、この天狗は。 「え、いいんですか?そんなアッサリ決めちゃって?」 「あぁ。この天狗に知られたらもうOKしちまったようなモンだしな。明日向かうよ。」 「ありがとう!待っているよ!」 ニコニコと山を降りていく慧音を見送ったあと、FFは手帳とカメラをそれぞれの手に持った文と向きなおる。 「で、いい?取材して?」 「まぁ、それも含めてあっちで話そうか?」 最高の笑顔で文に言うFF。危険を感じ、とっさに逃げ出そうとしたがもう遅い。哀れ、文は首根っこを掴まれ、森の方へ引きずられていったのだった。無論、にとりは河へと逆戻りである。 「さて、紅魔館のアレはどうやって知ったんだ~文?」 「えっとぉ・・・コチラにも守秘義務が・・・」 「そーかそーか。じゃあちぃっとばかし痛い目にあってもらおうかな?」 「ひぅっ!?そ、そこはダメ!洒落になってないぃ!」 「この記事も充分洒落になってないぞ。ホラホラ、早く言わないとフーファイターズが入り込むぞ?」 「ひぁああっ!?」 「さぁ、誰に聞いたんだ?今度はこんなもんじゃあ済まされねぇぞぉおお?」 「ひゃめっ、やめてぇえ!」 などというやり取りを河の中で聞いていたにとり。河の中で何をやっていたかを聞くのは野暮ってモンである。 次の日。FFとにとりは文の案内で、人間の里から少し離れた寺子屋に向かう事になった。 結局あの後、FFは文に(オラァ!)にフーファイターズを(無駄ァ!)したり(ドララァ!)したりして口を割らせようとしたのだが結局口を割る事はなく、代わりに寺子屋の案内をさせることにしたのだった。 「あ、あうぅ・・・まだ(アリィ!)が痛い・・・」 「女が(ボラッ!)とか言うな。」 涙目で腰を押さえる文に突っ込むFF。というか一晩中(WAANAABEE!)やってたくせに元気な二人である。 にとりは少し寝不足なのか、ふらふらとしながら商売道具の確認をしている。 「あ、あそこですよ。慧音さんの寺子屋。」 文が指差した先には、確かに木造建築の建物があった。大き目の日本建築に運動場のような庭があり、確かに勉強を教えるにはもってこいだろう。 そんな建物の前で、数人の子供と妙な帽子を被った男がなにやら奇妙な動きをしていた。 「そうだ!その呼吸だ!体が軽くなったろう?それが仙道の基礎だ!かけっこもはやくなるぞぅ!」 どう見ても奇妙なポーズをとっているようにしか見えないのだが、帽子の男と周りの子供たちは大真面目だ。 「・・・誰?」 「あの人はウィル・A・ツェペリさん。私達はツェペリ男爵とかツェペリさんって呼んでるわ。」 にとりの若干引いた感じの質問に答える文。どうもあの光景は、別段妙であるというわけでもなさそうだ。 「む?おぉ、山の新聞記者じゃあないか。また波紋の取材かい?」 こちらに気づいたツェペリが呼びかけてくる。どうも取材に訪れた事があるらしく、大分とフランクだ。 「いえ、波紋は記事にするまでに時間がかかるのでまた今度・・・今回は、こっちの二人を連れてきたんですよ。」 「あぁ、君達が慧音さんが言っていた新しい教師と技術者だね?私はウィル・A・ツェペリ。ツェペリ男爵と呼んでくれ。」 文がFFとにとりを紹介する。あらかじめ知っていたらしく、優雅な仕草でお辞儀をする。見た目どおりの英国紳士、といった感じだ。 彼もFFと同じく、幻想卿に呼ばれた外の人間なのだろうか?見た目からして違うし・・・ 「ところでツェペリさん。何をしているんだ?運動にしちゃあ、奇妙だな?」 FFの言葉でにとりは現実に引き戻された。確かに、運動をしているにしては動きがスローモーだ。少し前に香霖堂にあった『よが』という本にあったポーズに似ている。 「はっはっは!ヨガではないよ、これは。『仙道』といってね。簡単に言えば人間の力を最大限に引き出すための呼吸法だ。」 にとりの感想に笑いながら答えるツェペリ。彼の説明も全く理解できず?マークが増えていく。 そのリアクションもわかっていたのか、ツェペリは気を悪くしたふうもなく細かく説明を始めた。 「普通に呼吸をした状態で全力疾走しろって言われても無理だろう?しかし、もしそれが可能ならどんな状態であっても全力で走る事ができる。そういう『呼吸法』さ。」 「はー・・・それはすごいですねぇ・・・」 ツェペリの説明に納得したのかそれとも理解するのを放棄したのかわからないが、溜息をついて感心するにとり。 一応コイツ妖怪だったよな・・・と若干の不安を覚えながらもFFは本題に戻る事にした。 「私はフー・ファイターズ。こっちのは河城にとりだ。悪いんだが、慧音を呼んでもらえるか?」 「承知した。少し待っていてくれるか?」 そういうと、ツェペリはきびすを返し、建物の中へ入っていった。 子供達は相変わらず『仙道』を続けているようだ。その様子は除倫がファンだと言っていた『ピンクダークの少年』を何故か髣髴とさせた。 「ふふ、ついてきた甲斐があったと言うもの!今回の一面トップは【謎の秘密歴史結社の奇妙な活動】で決定ですッ!」 さっきまでのぐったりした顔は何だったのか、生き生きとした表情でシャッターを切り続ける文。この図々しさはかえって清々しいくらいだ。 絶対にコイツは何があっても生き残るタイプだろう。 そうこうしている内に、ツェペリが慧音を連れて帰ってきた。 「お待たせして申し訳ない!仕事がちょっと圧していて・・・」 「いや、構わないさ。この子達が生徒なのか?」 「その通りです。他にも数名いますが、皆いい子ばかりですよ。」 FFの質問に、まるで自分の子供のように誇らしげに答える慧音。子供たちも嬉しそうだ。 「今日から新しい先生になる、フー・ファイターズ先生だ!みんな、挨拶して!」 「「よろしくお願いします!」」 慧音の号令で一斉に頭を下げる子供たち。こういうのを見ると、教師もあながち悪いもんじゃあねぇかもな、とまんざらでもなくなってくるFFだった。 「取り合えず立ち話も何だから中へ行きましょう。他の教師に貴方の事を紹介しなければ。」 「あぁ、わかった。」 慧音に案内され、学校の中へ入っていくFF。にとりはというと。 「おねーちゃん、そのせなかのなにー?」 「すっげー!てつのぼうだー!」 「こら!それは私の商売道具・・・それいじくっちゃダメ!危ないからー!」 「おねーちゃん、ぼうしかしてー!」 「このカードかっこいい!おねーちゃんがつくったの?」 「え、ちょっと待って、服を引っ張らないで!スペルカードをもってかないでー!」 すっかりと子供たちのオモチャと化していた。 FFが中に入ると、すでに中にいた数人がこちらを向いた。どうやらこの数人がココの教師であるらしい。 「あら、慧音さん。その人が?」 「あぁ。フー・ファイターズさんだ。」 緑と白を基調とした巫女服の少女の質問に、慧音が答える。巫女服の女性には見覚えがあった。 「確か、八坂神社の・・・緑の腋」 「東風谷早苗です!二度と間違えないでください・・・緑の腋でも2Pカラーでもない・・・!」 FFのあんまりな言葉に即座に突っ込みを入れる緑の腋もとい早苗。といっても両者共に名前だけ知っていて、面識は無かったのだが。 「彼女は人間に自分の神様を信仰して欲しいらしくてな。布教がてら、教師をやってもらっているんですよ。」 慧音が補足説明する。どっかの紅白よりもよっぽど巫女らしい事をしている。 「あと最初に会っただろうけれど、彼はウィル・A・ツェペリさん。主に運動関係は彼に任せている。」 「自己紹介はしたが、改めてよろしく頼むよ。」 ツェペリが帽子をとって一礼する。見た目はひょろっとした感じだがさっきの動きを見る限り、かなりの【使い手】だろう。スタンド使いではないようだが・・・ 「奥のほうにいるのが八意永琳。いつもいるわけではないけれど、保健医をしてもらっている。」 「永琳って呼んで頂戴。よろしく頼むわね?」 奥にいる赤と青のワンピースの女性がウインクする。服装のせいか、FFには医者というより看護師にしか見えない。 「そして、その隣にいるのが藤原妹紅。非常勤、のようなものかな?」 「のようなもの、じゃなくて非常勤だよ慧音。妹紅だ。ガキ共の護衛とか、誰かいない時に変わりに教師をやったりしてる。」 白のカッターシャツに赤のサスペンダーつきのズボンというボーイッシュな出で立ちの女性だ。腰下まで伸びた銀髪が印象的だった。 「後は・・・ん?重ちーはどこ行った?」 「重ちーなら農家の手伝いに行ったぞ?『アルバイトってヤツだどっ!しししっ!』とか言いながら。」 「またか・・・今日は新しい教師が来るから手伝いは行くなとあれほど言ったのに・・・」 もう一人いるのだろう、辺りを見回す慧音に呆れた様子で妹紅が言う。 その【重ちー】とかいうヤツも教師なのだろうか。にしても自由奔放なヤツなのだろう、頭を抱える慧音が結構サマになっていた。 「いないものは仕方ないか・・・まぁ今日は皆の授業を見ててください。もうすぐ妖怪の生徒も来るはずなので。」 「妖怪?」 気をとりなおして言った慧音の台詞にFFは怪訝な声を上げた。妖怪の生徒なんているのだろうか?しかしその言葉を予想していたのか、慧音はにっこりと笑った。 「えぇ、妖怪の生徒です。とってもいい子ばかりですよ?」 前へ 目次へ 続き
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アットウィキの使い方 2014年、アットウィキがハッキングされてアットウィキ会員の個人情報が流出した事件があった。 これを機にそれまでは利用ができていた外部ファイル利用やFTPが大幅に見直され、一部は使えなくなった。 [@wiki情報流出事件とは (アットウィキジョウホウリュウシュツジケンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科] (http //dic.nicovideo.jp/a/%40wiki%E6%83%85%E5%A0%B1%E6%B5%81%E5%87%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6) [ウィキペディア: @wiki 2 沿革] (https //ja.wikipedia.org/wiki/@wiki#%E6%B2%BF%E9%9D%A9) 現在は当時一時的に中止されていた機能を、セキュリティ面と設計面が見直されて事件前ほどでは ないが機能が復活しているものもある。 便利ツール 記述はwiki式マークダウンのためタグで囲んで記述する必要がある。 特にテーブル(表形式)は記述が面倒なためツールを使いたい。 名称 主機能 価格 種別 ライセンス サイト・備考 環境条件 著作権 Wikisupport Excel表をwiki形式に書換え 無償 Excelアドイン MIT DL先DL先 Excel2007+ Format Links URLをwiki形式などに書換え 無償 Firefox拡張 MIT/X11 DL先 ブラウザFirefox Hiroaki Nakamura CopyURL+Title URLをwiki形式などに書換え 無償 Opera拡張 chromeウェブストア - ブラウザOpera CreateLink URLをwiki形式などに書換え 無償 Chrome拡張 Operaアドオンズ - ブラウザChrome 主なアットウィキ記述
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このページはExcelのatwiki支援ツールのDLリンクページです。 ↓のリンクをクリックしてDLしてください atwiki変換ツール.xlsx 使い方 1. ExcelファイルをDLした後、起動する 2. Aシートに表を記入する このとき、表として利用する範囲のAシート3行目のオレンジ色のセルに必ず何かしらの文字を入れること (下の図で「\」「基本」「クラス」等と入っている部分。ここを空欄にすると表がおかしくなるため、使用する列のオレンジセルには必ず何かしら文字を入れる。) ※Aシートでできるエクセル操作 OK (カット)コピー ペースト 値の消去 数字以外を入れる SUM等の関数をセルに入れる NG セルの削除や挿入をする(表がバグります) セルの結合 3. Textシートにある表のatwiki用コードをコピー 全範囲をまとめてコピーする(下図参照) bold{4. そのままatwikiのページに貼り付けする} Excelのシートでセルがコピー選択されている状態で、atwikiの画面に貼り付けをしてください。 これでExccelで作成したものと同じ表がatwiki上に作成されます。 +参考:図のコードをそのまま貼り付けた例 \ 基本 クラス 他修正 合計 命中 6 4 2 12 回避 4 4 1 9 行動値 8 5 -5 8 耐久 40 23 8 71 精神 18 31 49 ※備考 このツールがあれば縦線「|」の数を数えながらキャラクターデータを上げなくて済むようになるはず。 一応、25列50行まで対応しています。 (DL時のAシートの黒太枠セルの範囲) セルの挿入や削除によってバグるため、おかしくなったら再DL推奨。 Excelでセル結合してもatwiki側でカラム結合されるわけではないので注意。カラム結合したい人は変換後にコードに「~」や「 」を入れてください 気軽に利用してください 2019年5月23日 製作者:スピード
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ジョジョの奇妙な東方 ~FF・of・fate~ 第16話:人間が好きな妖怪 その④ 手紙を橙と一緒に見てしまったのは失敗だったッ・・・!! 藍は飛び出してしまった橙を追いかけつつ唇を噛んだ。 あの後、手紙を読んだ藍は橙に当分のマヨヒガからの外出を禁じた。【手紙の内容】が正しいとしたら橙に危害が及ぶと考えたのだ。だが、藍は失念していた。 橙は他人を放っぽって自分だけ安全な所にいるような子ではない事を。藍が気付いた時にはすでに屋敷を飛び出してしまった後だった。 スピードこそ藍の方が上だが、橙は小回りが利く。橙より先に寺子屋へ行く事は難しいだろう。だが、行かなければ・・・【あの手紙】の内容がもし全て真実なら・・・ 「私やあの半妖ならともかく・・・橙は死んでしまう・・・ッ!」 走りながら手紙の内容を思い出す。 『慧音の所のガキが特殊な能力を持っているらしい。まぁ、それ事態は別にどうでもいい。実際そんなもん珍しくも何ともねェからな。だが、【問題】は【その事実を隠している】という事がバレちまったてェこった。 【隠す】ってェ事は【隠されたほう】から見りゃあ気分のいい事じゃあねェ。ソイツは【不安】を生んで【疑惑】を生むってーのはわかるな?元々あの寺子屋によくない感情を持ってるヤツがいたってーのが悪かったンだ。 ソイツが周りの連中そそのかして寺子屋へ焼き討ちにいくらしい。』 「急がなければ・・・橙・・・」 藍自身も妖怪・・・と言うより妖怪と仲良くしようとしている人間を嫌う人間がいることは知っていた。だが、まさかここまで過激な連中とは思っていなかった。 連中はスペルカードルールなど知った事ではない。スペルカードルールに則った戦い方しか知らない橙では・・・ 「もし・・・もし橙に何かあったら・・・ッ!」 最悪の展開が頭をよぎり、それを振り払うようにスピードを上げる。 「その場にいる全員を殺してやるッ・・・!」 「あの大人を守るだッ!ハーヴェストォッ!」 重ちーには理解が出来なかった。 自分の知っている大人達が睨み合っている事が。妹紅と知らない人が村の人間に攻撃を仕掛けようとしている事が。 だが、理解できることもある。唯一見たことのない女が指を村の人間に向けている。アレは【攻撃】だッ!守らなければッ! そう考えた時、既に体が動いていた。己のスタンドを数体、盾にしたのだ。ハーヴェストは群体型のスタンドだ。数体潰れた位では何ともない。 「何を考えてるだッ!アンタが何なのかは知らないけれど、ココで村の人を攻撃するのは【ルール】違反だどッ!」 村の人間達を守るように女――重ちー自身は知らない事だが、教師のFFである――の前に立ちはだかる。妖怪なのか【能力】を持った人間なのかはたまたスタンド使いなのかは知らないが、【幻想卿】に住んでいる以上は【ルール】 に従わなければならない事ぐらいは知っているはずだ。それでも村の人間を攻撃する、と言うのであれば自分が相手になってやるッ! そう目で訴えながら油断なく三人を睨みつける。 「重ちー・・・?」 「【重ちー】?じゃあアイツが矢安宮重清か!」 慧音の声に気付いたFFが正面のスタンド使いの名前を知る。名前からして外の人間だろうとは思っていたが、まさかスタンド使いだったとは・・・ しかも先程のFF弾をスタンドで防いで無傷だったところを見ると【群体型】、しかもかなりの数のはずだ。だが、この寺子屋の従業員ではなかったのか・・・? そこまで考えたところでFFは奇妙な事に気付いた。もしスタンドを発現させているならば自分の目に見えるはずだ。だが、【見えてない】・・・? 「重ちー!何を勘違いしてるか知らないが・・・」 「止まれ妹紅ッ!アイツ、もうスタンドを【ばら撒いてる】ッ!」 重ちーを連れ戻す為に歩み寄ろうとした妹紅を慌てて止める。 妹紅には見えないが、彼女の足に無数の【小さな何か】が張り付いているのがFFには確認できる。【ハーヴェスト】の射程はわからないが恐らく自分のいる場所も【射程内】であるだろう・・・ 群体型で長い射程・・・そして複数がかりではあるがFF弾を止めるだけのパワー・・・なんつースタンドだ・・・ だが、FFですら【忘れてしまっていた】。本来、注意すべき【敵】が一体【誰であるか】を。 手を広げ、村の人間達を守ろうとした【重ちー】に振り下ろされようとしている【何か】に気が付いたときは既に遅かった。 ドボォオオ! という鈍い音がしたかと思うと、まるでスローモーションでも見ているかのようなゆっくりとしたスピードで重ちーが崩れ落ちるのをそこにいる全員が眺めていた・・・ 「重ちぃイイイ!?」 真っ先に反応したのは、やはり慧音だった。慧音の持つ能力は【歴史を食べる程度の能力】。重ちーが生きているうちに『重ちーが殴られた』という【歴史】を喰えば、その【歴史】はなかったことにできる! そう思い飛び出そうとした慧音を止めるものがいた。重ちーを角材で殴った村人である。初めて人に重症を与えたのだろうか、完全に錯乱してしまっている。 「うっ・・・動くんじゃねェエエ!」 「何を言っているッ!?すぐに治療しないと重ちーは助からないんだぞッ!!」 「う・・・うるせェッ!こっこのガキが、み、妙な力持ってンのは知ってるンだッ!そ、それで何を企んでやがるッ!?」 「何も企んでなどいない!頼む!重ちーを助けさせてくれッ!」 「うっうっ動くなつってんだろォがぁ!」 涙を浮かべた慧音の言葉にも耳を貸そうとしない。というより、聞こえていないように見える。 こうしている間にも重ちーがどんどんと衰弱していっている。死んでしまってはいくら慧音やFFであっても生き返らせる事などできない。だが、今無理にでも動けば目の前の男は倒せてもきっと他の村人が重ちーに何らかの危害を加えるだろう・・・ そこまで考えていたFFは不意に隣にいた妹紅の辺りの温度が異常なまでに上がっているのに気が付いた。見ると、妹紅の背中からまるで鳳凰のような炎の翼が広がっている。 FFよりも先に堪忍袋の緒を切らしていた妹紅の怒りが最高潮に達していたのだった。 「勝手な思い込みで・・・手前の勝手な不安で・・・自分を護ろうとしてくれた重ちーに危害を加えておいて・・・言うに事欠いて『何を企んでいる』だァ・・・?ふざけるのも大概にしろよ貴様等・・・」 妹紅の炎はどんどん強くなっていく。炎が爆ぜ、己の体すらも焦がしていく。それでも、妹紅の怒りは収まらない。 「手前等、どうやって読み書きを覚えたんだ?どうやって計算を学んだ!?大妖怪が【ルール】を作るまで誰に護ってもらったッ!?貴様等の親もッ!!その親もッ!!」 炎に怯えたのか、村人達は少しずつ離れていく。その隙にFFと慧音は重ちーを連れ戻す事が出来た。 重症ではあるが、まだ生きてはいる。歴史を喰うには時間がかかるらしいので応急処置として、フー・ファイターズを詰めて治癒を早めておく。だが、万全ではない。 妹紅は重ちーが助け出されたのを確認すると、ゆっくりと村人達に向かって歩んでいく。妹紅が歩いた分だけ村人達は下がっていく。振り出しに戻った形ではあるが、今度は脅すだけで済ますつもりはない。 「そりゃあな。手前等は何の能力もない一般市民だろうよ。妖怪やら妖精やらを恐れる気持ちはわかるし、信じたくねェって気持ちも理解できるさ・・・だがな。人里で暮らしている妖精や妖怪が手前等に何かしたか!?物を盗んだか!?何かを傷つけたか!?人を殺したかッ!?」 妹紅は、人として生きる上で最も大切な事は【信頼】であり、最も忌むべき事は【侮辱】であると思っている。今でこそ不死者となってはいるが、それでも考え方は変わっていない。それは人として大切なことだと思っているから。 だが、目の前の人間達は慧音の彼等に対する【信頼】を【侮辱】した。彼女自身にとって、最も許せない事をしたのだ。 「ここに来た目的もどうでもいい。さっきも聞いた事をもう一度聞く。私達にソイツを向けるって事は【攻撃されるかも知れない】っつー【覚悟】をしてここに来たんだよな?」 背中の炎が膨れ上がる。もうそろそろ限界だ。後は目の前の愚か者共に向けるだけ・・・死ぬ事こそないだろうが、無事ではすまない。恐らく重ちーと同程度の重症を負う事になるだろう。 「やめろ妹紅!重ちーは助かったッ!後は話し合うだけだ!」 FFの言葉にも耳を貸さない。それほどまでに怒り狂っているのか、それとも能力が暴走しているのかこの位置からでは判断できない。 そして、妹紅の炎が膨れ上がった・・・ 『彼』が妖怪を憎むようになったのは、ある意味では自業自得の事であった。 『彼』は昔から妖怪の山へしょっちゅう山菜狩りをしに行って生計を立てていた。その事をしてはいけないとは知っていたが、【楽にたくさんの金が取れる】という目先の欲に囚われていた『彼』は気にすら留めていなかった。 結果として妖怪の山の天狗達に見つかってしまい、喰われることこそ逃れたものの足を撃たれ、二度と山に登る事が出来なくなってしまったのだ。 そんな『彼』を、村の人々は同情こそしたが助ける事はしなかった。ある意味では当然とも言える結末に『彼』は納得しなかった。 何故、自分がこんな状態にならなければならないのか・・・決して自分のせいじゃない・・・【たくさんある中から】少しだけ山菜を【貰った】だけだ。別に危害を加えたわけじゃない・・・なのに何故、村の連中は自分と同じ気持ちになってくれないんだ・・・ そうか、誰もが妖怪の事を【恐れている】から【何も言えない】のだ!本当は自分達だって山に行きたいに違いないッ! 当然ながらこの理論は身勝手な【エゴ】であり、【思い込み】に過ぎない。だが、【思い込み】も思い続ければ本人の中では【真実】に成り代わる。 そして、『彼』は待ったのだ。【人間の味方をする妖怪】が【何らかの己を危険に晒すモノ】を持つのを、ただひたすらに。 その結果として、【上白沢慧音】は【矢安宮重清(ハーヴェスト)】という【モノ】を持ってしまった。 『彼』は天狗達に襲われた教訓を生かし、慎重に動いた。【慧音】のそばには【藤原妹紅】がいる。アレは自分達に対して容赦はしないだろう。ならば正面から行くのは得策ではない。 幸い『彼』以外にも妖怪にいい感情を持っていない者は何人もいる。その連中をそそのかし、学校を襲わせたのだ。 当然ながら、襲った連中は無傷では済まないだろう。だが、【寺子屋】は【子供たちだけになる】。 「オレは・・・オレは、【英雄】になるんだッ!この【寺子屋】を壊して・・・妖怪を追い出して・・・ガキ共はッ!尊い【犠牲】になって貰うッ!」 巨大な爆発が起きた!だが、妹紅ではない。もっと【後ろ】だ。FFや慧音よりも。 まさかッ!? 「なんだとォオオオッ!?」 叫んだのは一体誰だったのか。それすらもわからなかった。 【寺子屋】が!【燃えている】ッ! 決して大きいとは言えない校舎から火の手が上がっていた!何故今まで誰も気が付かなかったのかッ!? 「まさか!?お前等かッ!?【お前等のうちの誰か】が寺子屋に火をつけたのかッ!!【子供達もいるというのに】!?」 FFの叫びに村人達は反応する。 だが、FFの予感していたモノとは【全く違った反応】だった。まるで、【騙されていた】とでも言うような。 「何だってッ!?【子供がいる】ってーのはどういうことだッ!?」 「ってーことはウチのガキも中なのか!?」 「【子供達は今日は寺子屋にいない】んじゃあなかったのかよぉ!?」 【子供たちは今日は寺子屋にいない】・・・?妙な言葉が聞こえたが、どうやら【こいつ等の中】で【今この場にいないヤツ】が犯人という事か・・・ FFはそう思ったが、今はそんな事を考えている場合じゃない!今は中にいる早苗や子供達を助け出すのが先だッ! 「妹紅ッ!」 「わかってる!慧音ェ!近くの井戸から水を持ってきてくれッ!手前等も自分のガキが大切なら慧音を手伝えッ!」 呼んだときにはすでに妹紅は走り出していた。矢継ぎ早に叫ぶと、木製の扉を蹴り開け中へと入っていった。FFもそれに続く。 残された慧音は重ちーの様子を見、大丈夫である事を確認すると少し離れた茂みへ重ちーを寝かせる。そして、村人達の正面へ歩いていくと正座の姿勢を取り、頭を下げた。 「重ちーが【ハーヴェスト】を隠していたのは私の指示だ。だから私を殴るなり、追い出すなり好きにしてくれていい。だが今は。今だけは、子供達を助けるのを手伝ってくれ!頼む・・・」 村人達の答えは当然ながら、イエスであった。 自分自身すっかり忘れていたが、水がないと単なる微生物の集まりなんだよな私・・・と、今更ながらにFFは己の存在を再確認していた。 子供たちが怪我をしていた時のために水分を温存しておかなければならないFFは臍を噛みながら妹紅に付いていっていた。妹紅は行く手を塞ぐ障害物を殴り抜け、蹴り壊し、弾幕で破壊しながらロードローラーのように進んでいく。 「FF!さっきまで授業やってたのはどの教室だッ!?」 「一〇八だ!一番奥ッ!」 「面倒臭ェな!」 「慧音に言ってくれ!割り振りしたのはアイツだッ!」 「慧音なら仕方ねェな!」 「何でだ!?」 役に立ててない悔しさを感じ取っているのだろうか、破壊しながら妹紅が話しかけてくる。 彼女自身にとっては当たり前の事だろうが、FFにはそれがたまらなく心地よく感じた。それが彼女の魅力なのだろうか? 「アレか!?一〇八!」 「ブチ割れッ!妹紅ッ!」 「おぉよ!」 FFの言葉に景気良く叫んだ妹紅が思いっきり扉を蹴り飛ばす。そして、怪我人を見つけたらすぐに治せるようにFFが素早く入り込む。 入り込んだFFが見たもの。それは、 「あーうー?やっと来たみたいだね!遅かったじゃないの!」 何だかよくわからない帽子を被った子供が、室内で雨を降らせていた・・・ おかしい。何時まで待ってもガキ共のいる教室まで火が回ってねぇ・・・ 隣の窓からは既に火が出ているのに対し、子供たちがいるであろう教室には火どころか煙すら見当たらない。だが、所詮は人間である『彼』に中を確かめる術はない。 寺子屋が燃えて子供達が死ねば、村の連中は【上白沢慧音】を追い出すだろう。真相を知っている連中はきっと【藤原妹紅】によくて半殺し、最悪殺される。死んでいればそれでよし、死んでいなくても始末するのは難しい事じゃあないだろう。 そう考えていたのに、作戦が肝心なところで止まってしまっている。 「どういう・・・事だ・・・?まさか小屋の中にまだ力のある妖怪が隠れてやがったのか・・・?」 「おい!そこのお前ッ!何してるんだ!?」 悩んでいた『彼』の後ろから叫び声がした。 慌てて振り向くと、小柄な猫耳少女が睨みつけていた。橙だ。本来なら小屋の中にいるはずだが・・・ 「お前か・・・私の友達を傷つけようとしているヤツは!」 「確か、貴様は化け猫の・・・」 全身の毛を逆立てて今にも飛びかかろうとしている橙。 だが、コイツならば対処法は知っている。水をかけてやれば逃げ出すはずだ。冷静に対処すればいいッ! そう考え、『彼』は懐の水筒に手を伸ばした。だが、探しても水筒が見当たらない。おかしい。この猫と対峙する事を想定して水は持ってきていたはずなのに! 橙は今にも飛びかかろうとしている。焦ろうとする心を素数を数えて落ち着かせながら、注意深く懐を漁る。だが、出てこない!? 「くそッ!確かに持ってきた筈なんだ!水筒はッ!」 「『水筒』って言うのはコレのことかい?」 不意に上から声がしたと思うと、『彼』の頭に水がかかる。驚いて上を向くと、自分が持っていたはずの水筒を持った変な男が木の枝の上で胡坐を掻いていた。 アイツは確か、ウィル・A・ツェペリ・・・センドーとか言うよくわからない健康法を教えてる男・・・ 「健康法とは失礼な。仙道は呼吸法だよ。」 「まぁまぁ。波紋なんて最近の人間が知ってるわけないじゃあないの。」 憮然とした顔で言うツェペリに【『彼』自身の真後ろ】から声をかける者がいる。 慌てて振り向くと、真紅の服に身を包み、円状のしめ縄を背中に担いだ女性が妖艶な笑みを浮かべていた。 「さて、人間よ。面食らっているようだから名乗ろうか。我が名は八坂神奈子。妖怪の山の神兼博霊神社のピンチヒッターを勤めている。ま、お前達の一部は私を邪神と呼んでいるようだが・・・」 八坂神奈子!?妖怪の山の神!?何故そんなものがこんな所にいるッ!?理解不能!理解不能! 「私が呼んだのだよ。全く、早苗ちゃんには感謝しないとな。まさか【携帯電話】がこんな所で役に立つとは・・・」 完全に我を忘れている『彼』に親切に説明してやるツェペリ。その言葉も聞こえているのか聞こえていないのか・・・ 「さて、橙ちゃんの親も来たようだな。慧音にいらぬ疑いをかけられぬ様に私は橙ちゃんと説明しに彼女のところへ行くかな。橙ちゃん?」 「あ!ハイ!ツェペリさん!」 『彼』と同じように突然の出来事にポカンとしていた橙はツェペリの言葉に我に帰る。確かに耳を澄ますと遠くから「ちぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!」と言う敬愛すべき主の叫び声(鳴き声?)が聞こえてくる。 あの様子だと、放っておけばそこら辺の生き物全てを殺しかねない勢いだ。自分が行かないといけないようだ。橙とツェペリは掻き消えるように茂みへと姿を消した。 「あの妖狐にも困ったものだ。あの子もそろそろ自立して己の式を見つけてもいい頃だろうに・・・なぁ?」 二人が去っていった方を眺め、苦笑しながら『彼』に語りかける神奈子。その言葉に『彼』はようやく我を取り戻した。 逃げなければ・・・!逃げなければ、殺されるッ!この邪神に、殺されてしまう! そう考えて逃げ出そうとするが、足がもつれてうまく逃げる事ができない。しかも【殺される】という恐怖のせいか、昔天狗に撃たれた傷から激痛が走ってくる! 「さて、小便は済ませたか?神様にお祈りは?部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?」 凄絶な笑みを浮かべた神奈子の顔を最後に『彼』の意識はプッツリと途絶えた・・・ 三日後。 何でも、FFと妹紅、慧音が出て行った後に妙に嫌な予感がしたのだそうだ。だからよく連絡がつかないからと携帯電話を持たせたツェペリに電話し、自分の山の神二人を呼んで貰った、と言うのがこの馬鹿馬鹿しい結末の理由なんだそうだ。 「なんつーか・・・私怪我し損って感じがするんだが・・・」 「あぁ・・・何か下らない三文芝居を見せられたみてぇだよ・・・」 自慢げに豊満な胸を張って「私、すごいでしょ?」と全身で語っている早苗を見て、げんなりと妹紅とFFが言う。言葉と裏腹に怪我などどこにもない。本来の再生力に加え、結局使うことのなかった治療用のフー・ファイターズで治癒力を強化しておいたためだ。 後で知った事だが、早苗の能力が【奇跡を起こす程度の能力】であり、今回はその能力がフル活用された結果がコレなのだそうだ。 またこの事件の真相は、村人達がある一人の男に「重ちーの能力を使って慧音が村を妖怪で溢れさせようとしている」と、言われ不安になっていたところに「今日は生徒がいないから今の内に寺子屋を焼いてしまえば慧音は何も出来なくなる」とそそのかされ、こんな事をしたのだそうだ。 FF個人としてはたった一人の男の言葉に踊らされるなど許せない事であったが、慧音が前に言った【人間が信仰すべき神様が存在しない】という言葉と慧音自身の希望もあって彼等全員は【壊れた校舎を建て直す】という償いのみで許すこととなった。 余談であるが、その首謀者は妖怪の山の近くで首を吊って発見されたらしい。彼自身に妻子はなく、遺体は村の共同墓地に運ばれる事となった。 「これも人間ってーヤツなのかねぇ・・・」 「残念ながら、な。」 FFの呟きに答えたのは他でもない慧音だった。 慧音の後ろでは、毎度の如くツェペリが子供達に仙道を教えている。その中に、無事【怪我をした歴史】を喰われ、元気を取り戻した重ちーも混ざっていた。 「人って言うのは皆、【不安】を抱いてる。だから【信じられる何か】を探すんだ。」 「それが、【信仰】ってヤツだ、と?」 「あぁ。だから自分の事を正そうとする。【確かな言葉】を求めるんだ。人っていうのはそんな儚い存在であるからこそ【信仰】を求めるんだろうな。」 慧音が眺めた先では、男達が神奈子の指示でオンバシラを運んでいる。 どうもついでとばかりに人里に分社を立てる気であるらしい。まぁ信仰ができるのはいい事であるし、慧音自身もそれを望んでいるので問題はないのだが。 「なぁ、慧音。」 ふと、思いついてFFは聞いた。我ながら意地悪な問いだなとは思ったが、是非聞いておきたい事でもあった。 「もし、だ。もし、今回の事のような事が起こったらどうするつもりだ?信仰すら信じられず、確かな言葉も得られないヤツが今回のような事を再び起こしたら・・・」 「私自身が身を引いてどうにかなる問題なら、私は躊躇いなく身を引くだろう。だが、それによって今回のように怪我人をだすようなら・・・」 慧音の目が、一瞬深い紅に染まった・・・ような気がした・・・ 「私は戦うだろう。私自身が正しいと思える道を進むために。私のせいで傷つく人を増やさないために、私は人を傷つける。」 そう宣言する慧音の目は凛々しくも、とても悲しそうに見えていた。 前へ 目次へ 次へ
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ジョジョニュース 何か情報が見つかり次第追加いたします 空条承太郎は何をつぶやく? ジャンプ&缶コーヒーRootsコラボ広告、全国5大都市圏で展開中! 「週刊少年ジャンプ」と缶コーヒー「Roots」のコラボ広告が、全国5大都市圏で展開中! 「日常の中のちょっと困った状況における心のつぶやき」をテーマに、歴代ジャンプキャラ達が、漫画のコマでつぶやく、ちょっとシュールな駅張りポスター企画。 「ジョジョ」からは空条承太郎が登場! オラオラしながら何をつぶやくのかw ポスターのある駅は全国5大都市圏の全171駅。下記の駅では全40キャラのポスターが揃っているので、確実に見ることが出来る。 東京 東急東横線渋谷駅ホーム(5/26~6/1) 東京 JR&京王線新宿駅 連絡地下通路(5/26~6/1) 大阪 阪急梅田駅 1FムービングウォークD通路(5/26~6/1) 名古屋 名古屋地下鉄東山線名古屋駅 栄方面行きホーム(5/27~6/2) 北海道 JR札幌駅 改札内階段壁面(5/27~6/2) 福岡 西鉄福岡駅 改札内ホーム&改札外コンコース(5/28~6/3) 英社リミックス ジョジョの奇妙な冒険 PART3 スターダストクルセイダース[10](重版)、発売中止 5月26日発売予定だった、集英社リミックスの「ジョジョ第3部」完全決着シリーズ 第10弾(完結)の重版は、「ジョジョ」アニメの“コーラン”問題で、3部コミックスが出荷停止となった影響を受け、こちらも残念ながら発売中止となった。集英社リミックスのサイトや、5月発売コミックス新刊リストからも既に削除されている。 4部完全決着シリーズ「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 1(重版)」については、予定通り、6月9日発売予定。 集英社リミックスのサイトに、“「ジョジョの奇妙な冒険」第3部最終巻、発売延期のお知らせ”が掲載。発売延期のお詫びと共に、「なお、調査が完了した後、ジャンプリミックス版第3部最終巻、ジャンプコミックス版及びコミック文庫版第3部は修正し発売する予定です。」と記されている。時期は不明
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